国内で生産・開発するすべての車種で不正検査を行っていた…前代未聞の発表をしたのは自動車メーカーのダイハツ工業です。ダイハツは全ての車種の出荷を停止しましたが、社長は即時の辞任を否定しました。
■174の不正発覚で全車種出荷停止…「私の車どうなるの?」
突然の出荷停止。納車を待つ人たちは戸惑っています。
納車予定の女性
「2週間前にダイハツ神奈川のディーラーに行って契約した。納車予定がずれ込むとか、そういう連絡は全く来ていない。私の車はどうなるんだろう。お金払ってますからね、全部」
国内の軽自動車市場で3割のシェアを占めるダイハツ。春に安全性確認試験での不正行為が発覚してから半年あまり、事態は国内外全ての車の出荷停止にまで広がりました。
第三者委員会 貝阿彌誠 委員長
「不正行為は合計174個。虚偽記載類型が143個です」
不正は国内外の64車種と3つのエンジンで行われていました。中にはトヨタ、マツダ、SUBARUに供給している車も含まれます。
不正は▼試験の際に定められた車両や部品を使っていなかった、▼試験そのものをしていなかった、などというもの。
エアバッグや速度計など命に関わる部品でも行われていました。
ダイハツ工業 奥平総一郎 社長
「ダイハツは軽自動車をはじめとして、日本の国土・道にあった国民の足となる車として育てていただき、お客様にご愛顧をいただいていた。こうしたお客様の信頼を裏切ることとなり、重ねてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
第三者委員会は、ダイハツの存在意義となった短期開発が極度のプレッシャーとなり、不正行為の原因になったと指摘しました。
第三者委員会 貝阿彌誠 委員長
「ダイハツの開発部門の組織風土の問題ですが、できて当たり前の発想が強く、何か失敗があった場合には、部署や担当者に対する激しい叱責や非難が見られること。本件問題でまずもって責められるべきは、不正行為を行った現場の従業員ではなく、ダイハツの経営幹部であると考えている」
奥平社長も経営陣に責任があると認めたものの、辞任は否定。
ただ、不正は34年前の1989年から始まっていて、国土交通省は21日、ダイハツ本社に立ち入り検査をする予定です。
斉藤鉄夫 国土交通大臣
「自動車ユーザーの信頼を損ない、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、断じて許されない」
ダイハツがトヨタブランドで販売する「ライズ」が3日後に納車されるはずだった女性は…
納車予定だった女性
「3時とかそれくらいの時間。(ディーラーから)『車の引き渡しができるかどうか分からない』と電話がかかってきて残念」
■ダイハツが174の不正行為で“全車種”を出荷停止「みんなの声」は?
NEWS DIGアプリでは『企業の「不正行為」一番の責任はどこか』について「みんなの声」を募集しました。
Q.企業の“不正”どこに一番の「責任」があると思いますか?
「不正をした個人」…2.5%
「不正をした部署」…15.3%
「会社の経営陣」…77.6%
「その他」…4.7%
※12月21日午後0時05分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
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