【トヨタ クラウンスポーツ 新型試乗】老若男女を吸い寄せるデザイン、後席の開放感はセダン以上?…西村直人 「このデザインを成し遂げたかった」と力説するのは、新生クラウンシリーズのデザインを手掛けた宮崎満則さん(トヨタ自動車 MSデザイン部 室長)。宮崎さんは続けて「心躍るデザインは人を元気にしますから!」と語る。 確かに『クラウンスポーツ』(トヨタは「新型クラウン」(スポーツ)と呼ぶ)のデザインは老若男女を吸い寄せる。どこかでこんな印象を抱いたなと思ったら、1993年に登場した4代目トヨタ『スープラ』だ。グラマラスなボディは今見てもドキッとする。そんな話を宮崎さんにしたら、「私が担当していました」という。スープラにクラウンスポーツ、なるほど見れば見るほど吸い寄せられる。 新生クラウン4兄弟は、最初に登場したクロスオーバーを原点に位置付け、フォーマルな「セダン」、アクティブな(トヨタは理性的で創造的と表現)「エステート」(ステーションワゴン)、そしてわかりやすく走行性能を高めモデルとして「スポーツ」を展開する。 パワーユニットは直列4気筒2.5リットルのハイブリッド(システム出力234ps)と、同PHEV(システム出力306ps)の2タイプで、いずれも後輪に独立型モーターをもつE-Four(4輪駆動)で揃えた。 今回試乗したのは、通常のハイブリッドモデル。クロスオーバー同様に後輪操舵機能であるDRS(ダイナミックリアステアリング)を備え、一体感あふれる走りを目指した(DRSはドライブモードとも連動)。 ダナミックとあるようにスポーツ走行時に大きく走行性能を高めるDRSながら、じつは駐車場での微速域や市街地走行でも有効に働く。たとえば後輪を前輪の逆方向に操舵することで、最小回転半径は5.4mにまで小さくなった(クロスオーバーも同じ値)。例えば、スポーツつながりである『カローラスポーツ』の18インチモデルは5.3mだから、21インチタイヤ&立派なボディサイズを考えれば、クラウンスポーツの取り回しがいかに良いかわかる。 ドライブモードをノーマルにした場合、60km/hまでは前輪と逆方向で後輪が操舵するが、ここではクロスオーバーよりも強めに後輪を操舵するという。これは最大角度が増えるというより、逆方向に切れている時間が速度域が広いというイメージだ。よって、市街地走行でも