ダイハツ新型「ムーヴ」(画像はRSグレード)
このクルマが“新生”ダイハツを第一弾となるモデルになりますが、どのような仕上がりだったのでしょうか。 今回は東京都心の一般道~首都高速で試乗を行なってきました。 エクステリアの特徴は大きく2つ。1つはカスタムが廃止されノーマル1本勝負になった事です。元々カスタムは初代で“裏ムーヴ”として追加されました。 当時はある意味“変化球”モデルでしたが、人気と共に定番化。その一方で本来は“表ムーヴ”だったノーマルはその存在感が薄れ、なんとなく廉価版的な扱いになっていたように感じます。そこで今回、それらをリセットしたわけです。 チーフエンジニアの戸倉宏征氏は「当時はラインナップが少なかったため、選択肢を増やすために設定をしました。しかし、現在弊社にはタントやムーヴ・キャンバスなど幅広いラインアップがあります。確かにムーヴがカスタムの元祖ですが、世代を重ねるにつれてカスタムの存在意義が曖昧になったのも事実です。そこで今回は元祖だからこそ、やめようと決めました」と教えてくれました。 デザインはどことなく初代を思い出すカジュアルだけどキリっとしたスポーティなイメージ。Aピラーを寝かせる事でよりスタイリッシュに見えます。 ターボの「RS」とNAの上級グレード「G」はガンメタリック塗装+メッキモールのフロントグリルやサイドストーンガイドを装着。控えめですが“いいモノ感”のある雰囲気を持っています。 もう1つはスライドドアの採用です。ハイト系ではライバルには無い強い武器となります。戸倉氏は「個人的にはハイト系がベストバランスだと思っていますが、軽ユーザーの多くはスーパーハイト系のスライドドアの利便性を知っていますので、従来と同じヒンジドアでは選択肢に入れてもらえません。軽のトレンドを再びハイト系に戻したいと言う想いもあるので、今回はその武器をムーヴにも使わせてもらいました」と語ってくれました。 ボディカラーはモノトーン10色/2トーン3色と多彩ですが、キャラクターに見合ったシックな色が主となっています。 インテリアは奇を衒わずシンプルで機能的な空間に仕上げられています。突起の少ないインパネに加えて、寝かされたAピラーとフロントドア前の三角窓なども相まって、死角 が少ないだけでなくノイズレスな視界性能を実現。 ライバルが採用するソフトパッド仕上げなどはありませんが、各パーツ類の調和に加えて、グレーとブラウンのコーディネイト+シルバー加飾の落ち着きあるコーディネイトとシックなデザインの2眼メーター(RS/G)の採用などにより、質感はなかなかのレベル。RS/Gには電動パーキングブレーキが装着される一方で、ステアリング調整はチルトのみでテレスコが付かないのは残念……。 居住性は室内長2140mm、室内高1270mmの空間は「ムーヴ・キャンバス」とほぼ同等。240mmのリアシートスライドを活かせば後席の足元スペースはゆとりどころか広いと感じるスペースを実現しています。 個人的には広すぎて落ち着かないスーパーハイト系より適度な頭上空間は、居心地良く感じました。